保護製品の選択

保護エレメントの選択は慎重に行う必要があります。図1に示す基本回路を検討してください。集積回路の入力は、保護されていない電気的環境からシステムに入る信号ラインに接続されています。信号ラインは、入力が耐え得るレベルをはるかに上回る電圧および電流レベルのさまざまな外部ストレスにさらされることがあります。入力電圧を安全限界の範囲内に維持し、集積回路にシャント電流を流さないようにするには、集積回路保護デバイスが必要です。保護エレメントの選択は、保護する回路の性質と外部ストレスの性質によって決まります。

図1 保護エレメントの使用例
Example of protection element use

最初に、保護する入力の特性を検討します。図2は、入力の通常電圧範囲および損傷を引き起こす電圧限界を示しています。また、このアプリケーションに最適な保護エレメントのI-V曲線も示しています。通常動作範囲内の電圧の場合、保護エレメントの抵抗が高く入力信号の保全性が保証されます。通常動作範囲を超えると、保護エレメントは高インピーダンスから低インピーダンスに切り替わります。電圧が危険ゾーンに達するのを防止するために、オン抵抗をどれだけ低くする必要があるかは外部ストレスが供給できる電流に応じて異なります。したがって、外部ストレスの特性について理解する必要があります。

図2 回路の電圧制限
Voltage limits on circuit

外部ストレスを定義する最良の方法は、電気的ストレスに対するシステムの耐久性を計測する業界標準試験のストレス定義を使用することです。試験基準は、製品が特定の環境で損傷を受けないようにするのに必要な電圧および電流波形を規定しています。図3に例を示します。システムにはピーク電流20Aのストレス耐久性が要求されます。保護する回路には動作電圧0~3.6Vの入力があり、電圧が8Vを超える場合、入力への損傷が予想されます。この例の保護エレメントは、通常動作電圧を上回る5Vで安全にオンになり、電圧が危険な動作電圧を超えることなく20Aを上回る電流を流すことができます。

保護エレメントを選択する際に考慮しなければならないのは、これだけではありません。ほとんどのインタフェースは、グランドに関して1本のラインよりもはるかに複雑です。差動信号や一次的および二次的保護 を組み合わせて使用する電話網などのシステムでは、特別な配慮が必要です。保護エレメントのキャパシタンスは、多くの場合、特に高速回路に対しては保護エレメントの低電圧抵抗よりも重要です。他にも、保護エレメントの物理的サイズ、システム・ボードの配置、そしてコストについても考慮する必要があります。

図3 20Aのピーク電流が要求されるアプリケーション用の保護エレメントの選択例
Example of the selection of a protection element for an application requiring a 20A peak current

保護するシステムの特性およびストレス波形の性質を知ることにより、確かな情報による保護デバイスの選択が可能になります。保護機能は、保護するシステム・ノードの通常動作範囲内でオンになってはならず、キャパシタンスは高周波数信号の劣化を防ぐだけ十分に低くなければなりません。保護エレメントはストレス自体に耐え得る必要があり、またオン状態において、保護する電気ノードの電圧を保護対象回路の危険領域以下に維持できるだけ低い抵抗を持っている必要があります。

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