8月 07, 2023

Share:

住宅用ソーラーシステムの数は、今後5年間で大幅に増加すると予想されます。これらのシステムが設置されると、家庭ではクリーンなグリーンエネルギー源として、家電製品に電力を供給し、電気自動車を充電し、さらには余剰電力を電力会社に売却することができます。また、送電網が停止した場合にも安心していられます。本ブログでは、住宅用ソーラーシステムの主なコンポーネントを紹介し、より効率的で、信頼性が高く、コスト競争力を高めるためのオンセミ(onsemiの電源ソリューションをいくつか提案します。

 

住宅用ソーラーインバータシステムの概要

住宅用ソーラーインバータシステムは、可変DC電圧を生成する太陽光発電(PV)パネルのアレイを備えています。昇圧コンバータが、最大電力点追従(MPPT;太陽光の強さと方向に応じて捕えたエネルギーを最適化する)と呼ばれる方法を使用して、この電圧をより高いDCリンク電圧に上昇させます。次に単相DC/ACインバータがDCリンク電圧(通常DC600V未満)をAC電圧(120~240V)に変換し、この電圧が負荷または電力網に接続されます。

住宅用ソーラーインバータにはさまざまな種類がありますが、最も一般的なものはマイクロインバータとストリングインバータの2種類です。マイクロインバータソーラーシステムは、それぞれが1つの太陽光発電(PV)パネルに接続された複数のDC/ACインバータを使用し、通常は最大1kWの出力電力を生成します。ストリングインバータシステムは、複数の直列接続されたPVからの入力を結合します。しかし、複数のソーラーパネルを接続するとマイクロインバータシステムよりも効率が低くなります。これは直列に接続された1つのパネルの受光量が他のパネルよりも少ない場合、システム全体の出力が影響を受けるためです。ただし、各パネルにインバータを設置するマイクロインバータシステムより安価です。

 


figure_residential1

図1:マイクロインバータシステム(左)とストリングインバータシステム(右)のブロック図

 

パワーオプティマイザ(MPPT搭載DC-DCコンバータ)は、ストリングインバータシステムの効率向上に役立ちます。パワーオプティマイザは、PVパネルからの可変DC電圧を固定DC電圧に変換します。すなわち、個々のパネルからのPV出力が低くても、全体の効率には影響を与えません。

バッテリエネルギー貯蔵システム

バッテリエネルギー貯蔵システム(BESS)は、住宅用ソーラーシステムには不可欠です。ほとんどの場合、エネルギーは最も必要とされないとき、つまり人々が家を留守にしている日中の時間帯に蓄えられます。バッテリを使用してエネルギーを蓄えると、必要なとき、つまり家族が家にいる夕方に電力を使用する柔軟性が得られます。双方向コンバータがBESSをソーラーシステムに接続します。日中、PVパネルが発電すると、コンバータがバッテリアレイを充電します。夜間、パネルが発電していないときは、双方向コンバータはバッテリから貯蔵されたエネルギーを放出して、負荷を駆動します。


figure_solar_system_blog_figure_2

図2:ソーラーシステムに接続されたバッテリエネルギー貯蔵システム(BESS)

 

DC-DC昇圧コンバータ

シングルブーストDC-DCコンバータは、住宅用システム向けの最も一般的な非絶縁トポロジですが、絶縁が必要な場合はフライバックコンバータが好まれます。どちらのトポロジも低コストで、狭いフォームファクタを持っています。

DC-ACインバータ

インバータは、例えばオンセミのNXH75M65L4Q1 IGBTモジュールを搭載したHERIC H6.5コンバータなど、さまざまなトポロジを使用して構築できます。この設計には変圧器が必要ないため、システム全体の重量、サイズ、コストが削減されます。このトポロジは、PVアレイの寄生容量に作用するコモンモード(CM)電圧に起因するリーク電流の問題を解決します。

 


figure_residential3

図3:H6.5トポロジは住宅用ソーラーインバータに適合

 

双方向DC-DCコンバータ

双方向DC-DCコンバータは、エネルギー貯蔵システムのバッテリを充放電します。これには通常、共振CLLCまたはデュアルアクティブブリッジ昇降圧絶縁トポロジが使用されます。広い入力および出力電圧範囲をサポートし、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)を使用して効率を向上させます。また、バッテリパックをPVパネルから絶縁して安全性も確保します。

 

ソーラーシステム用IGBT

オンセミ(onsemi)は、住宅用ソーラーシステム向けに600 Vおよび650 V定格のシリコンIGBTを提供しています。これらのIGBTは、ナローメサ、ワイドトレンチ幅のフィールドストップ4(FS4)技術で製造されており、ラッチ耐性および低ゲート容量を実現しています。オンセミのスーパージャンクションMOSFETは、高耐圧プレーナ型MOSFETに比べてオン抵抗が小さいp型ピラー構造を採用しています。FAST、Easy drive、FRFETバージョンは、MPPTブーストおよびDC/ACコンバータトポロジでハードスイッチングやソフトスイッチングを行うときに、EMIやスイッチングノイズが減少するように最適化されています。これらの特徴は電力効率が高いソーラーインバータを実現するのに役立ちます。


figure_residential4

図4:オンセミのソーラーシステム用パワー半導体

 

シリコンカーバイドによる住宅用ソーラーシステムのさらなる性能向上

シリコンカーバイド(SiC)デバイスは、シリコンベースのデバイスよりも優れた性能を発揮しながら、住宅用ソーラーシステムのインバータを小型化することができます。オンセミ650 V EliteSiCディスクリートMOSFETは、VGS と温度の両方に対してRDS(ON)が低く、負のゲート電圧を使用して駆動できるため、ノイズ耐性が向上し、ブリッジトポロジでの使用時に誤ったターンオンが回避されます。

 


figure_residential5

図5:SiCデバイスによる住宅用ソーラーインバータの性能向上

 

住宅用ソーラーシステム設計の加速

オンセミは、SECO-HVDCDC1362-40 W-GEVB 40W SiC高電圧補助電源のようなリファレンス設計を含めて、ソーラーシステムのコンポーネント選択を簡素化する製品およびツールの幅広いポートフォリオを提供しています。これには製品開発をスピードアップするために必要なすべて(ユーザマニュアル、部品表、Gerberファイルなど)が含まれます。オンセミは、より高度なシステムの評価と開発を実行したいシステム設計者向けに、SPICEモデルも提供しています。

住宅用ソーラーソリューションの詳細は、ホワイトペーパ「Optimizing Residential Solar Energy Systems for Efficiency, Reliability, and Cost」をダウンロードしてください。