人口の高齢化が進み、私たちの健康や福祉に対する意識が高まるにつれ、医療従事者は診断、モニタリング、治療を遠隔で提供する必要性に迫られています。
最近まで、診断を受けるか、病状を継続的にモニタリングするには、医院、診療所、病院などの医療施設に出向く必要がありました。しかし、多忙な人々の生活、特に長期的なモニタリングには、必ずしもこれが便利であるとは限りません。
コネクテッドポータブルモニタなどの最新技術により、この状況は急激に変化しています。今日では、医療施設に出向くことなく、簡単で生体を傷つけないモニタリングが実現できるようになりました。実際、容易に持ち運べる機器の中には、患者が通常の生活を送りながら、重要な医療情報を記録できるものもあります。
この技術を適用することで、医療施設への負担を軽減するだけでなく、コストを削減し、対面診療が必要な患者に対するキャパシティを拡大します。
開発が遅れている地域では、受診するのに適した医療施設がないか、あるいは存在する医療機関が予約でいっぱいの可能性があります。このような場所では、遠隔モニタリングが人生を変えるような診断を受けるための、唯一現実的な方法かもしれません。
最近の新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは、医療崩壊が起こり、世界の各地がロックダウンされ、病院への受け入れが禁止されました。このような状況でも、遠隔モニタリングにより、患者は快適で安全な自宅から医療専門家にアクセスできたのです。
一つにはヘルスケアを強化した結果として、世界の長寿化が進んでいます。これに、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などの非感染性疾患(現在、世界の死因トップ10のうち7つを占めている)の罹患率が上昇していることと相まって、かつてないほどモニタリングの必要性が高まっています。

遠隔モニタリングの実現における課題
国および地域に拠点を置く保健機関は、当然のことながら、その地域内の特定の問題に重点的に取り組んでおり、複雑なプログラムを展開するためのリソースはほとんどありません。新しい技術を一般的な用途に使用するには、医療従事者が訓練を受けるだけでなく、患者が受けた医療アドバイスを守り、それを活用できるように支援するプログラムも作成する必要があります。
世界保健機関(WHO)は、多くの医療問題の解決に役立つ遠隔モニタリングの利点を認識しており、世界中でさらに普及させるための計画策定において、主導的な役割を果たす方針です。

遠隔モニタリング革命におけるオンセミの役割
オンセミ(onsemi)は20年以上にわたり、遠隔医療機器を実用化し、それを支える技術の開発に重要な役割を果たしてきました。さまざまな医療アプリケーションに絶えず関わりを持つことで、厳しい医療市場で成功するために必要な性能と信頼性について、包括的に認識を深めることができたのです。
小型化は携帯性の鍵であり、オンセミは高度な自社パッケージング技術とFDA準拠の製造技術に基づき、小型システムインパッケージ(SiP)ソリューションの開発をリードしてきました。
オンセミは、社内製造能力と技術的専門知識に加えて、一般に小型で電源(コイン電池など)が制限されているデバイス向けの超低電力ソリューション(ポータブル医療モニタと非常によく似た特質)の開発において豊富な経験を持っています。
その結果、オンセミの技術は、以下のような複数の一般的な疾患のモニタリングと治療に使用される、さまざまな機器の進歩をサポートする理想的な立場にあります。
- 補聴器(脳萎縮症)
- 血中酸素濃度測定用のパルスオキシメータ(肺疾患、心臓病、新型コロナウイルス感染症の診断)
- 心臓の活動を測定し、心肺の活動を聴取するための心電図(複数の疾患)
- 血糖値測定用の持続グルコースモニタ(CGM)を含む血糖値モニタ(糖尿病)

機器や条件は大きく異なりますが、使用されている技術はきわめて類似しています。これらの機器の主な要件には、超低レベルの信号センシング、信号処理、制御、安全な接続性などがあり、これらすべての分野においてオンセミは実績を残してきました。
これらの機器との接続は、主にスマートフォンを経由して幅広い接続を可能にするBluetooth® Low Energy (Bluetooth LE)テクノロジなどのプロトコルを介して行われます。Bluetooth LEプロトコルの進歩とオンセミの革新的なデバイスにより、ウェアラブル機器やその他の小型医療機器は、バッテリ交換なしで最大10年間動作することができます。
オンセミは、将来の重要な医療技術として遠隔モニタリングが受け入れられ、その成長に大きく貢献する、小型でスマートかつ正確な医療製品を実現する役割を担っていると自負しています。