高性能イメージセンサを支える電源設計

著者:  Majid Dadafshar  - 07-27-2022 

CMOSイメージセンサに使用する電源の配置は、解像度やフレームレートなどの性能に大きな影響を与える可能性があります。このブログでは、このアプリケーションのための電源ソリューションを設計する際の重要な要因について考察します。

 

CMOSイメージセンサの内部構成

一般的なCMOSイメージセンサは、アクティブピクセルカラーアレイ、アナログ信号処理回路、アナログ-デジタルコンバータ、インタフェースやタイミング、データ読み出しを制御するデジタル部などで構成されています。アレイのフィルファクターとは、センサのサイズに対する受光部の割合のことです。受光素子は、光子を集めて電流(フェムトアンペア・オーダ)に変換する感光性の変換器です。解像度とは、CMOSイメージセンサの総画素数を表す用語で、例えば2MPセンサアレイの画素は1600列1200行に配置されています。ただし、ブラックレベルやノイズ補正のために光学的に黒い画素もあるため、アレイ内のすべての画素がアクティブ(光検出可能な状態)というわけではありません。

Typical CMOS Image Sensor Blocks

図1:  CMOSイメージセンサブロックの例

 

画素トランジスタの設計には、3トランジスタ(3T)、4トランジスタ(4T)、5トランジスタ(5T)など数種類があります。4Tの場合、フォトダイオードは受け取った光の光子を電荷に変換します。この微小電圧は一度に1列ずつ読み出され、列のコンデンサ(Cs)に蓄積されます。デコーダとマルチプレクサは、各列に蓄積された電圧を読み取ります。

Four-Transistor Pixel Design

図2:4トランジスタ画素の設計

 

フレームレートは、通常30~120fpsで、処理用の画像配列が完全な画像を取り込む速度を数値化したものです。フレームレートはシャッタスピードの影響を受け、イメージセンサが光を集めるのに利用できる時間間隔を制御します。また、最後の行を読み出した後に他の作業を行う暗黒期と呼ばれるプログラム可能な時間間隔もフレームレートに影響し、読み出し速度の約75%を占めます。フレームの読み出しは行ごとに順次行われ、最後にバッファがフレーム全体を完全な画像として保存します。

 

電源設計の注意点

CMOSイメージセンサは、通常、アナログ(2.8V AVDD)、インタフェース(1.8または2.8V DOVDD)、デジタル(1.2または1.8V DVDD)の3種類の電源レールを使用します。これらの電源は、入力端子に大容量バイパスコンデンサを持つLDO(Low Voltage Dropout)レギュレータにより安定化され、電圧変動を低減し、イメージセンサのノイズ性能を向上できます。電源除去比(PSRR)は、LDOが電源リップルや他のスイッチングレギュレータから発生するノイズによる入力電圧の変動をどの程度除去できるかを測定するものです。PSRR が低い LDO は、撮影した画像に不要な水平リップルを発生させる可能性があります。ターゲットのアプリケーションに対して十分に高いPSRRを持つLDOを設計するために、事前に所定のフレームレートに必要なセンサ列の周波数を計算することが可能です。

LDO Performing Voltage Regulation

図3:電圧レギュレーションを行うLDO

 

100kHz以下の周波数で動作するシステムでは、LDO内部のフィードバックループがPSRRを大きく左右します。しかし、それ以上の周波数(100 kHz以上)では、受動部品とPCBレイアウトが主な要因となります。そのため、PCB設計を慎重に行うことで、電流ループをタイトにし、寄生インダクタンスを低減できます。基本的なLDOは、高周波数ではPSRRの値が低くなります。通常、標準的なカメラでは問題になりませんが、高解像度(50~200MP)、高フレームレートのイメージセンサでは、低周波(10kHzまで)で90dB以上、高周波(1~3MHz)で45dB以上のPSRRを有するLDOが必要になります。

 

設計上のポイント

フレームレート (30-120 fps) とロウレート (22-44 kHz) は,アナログレールにアンダーシュートとオーバーシュートを引き起こす動的負荷を発生させます。つまり、各フレームと行の読み出し中(またはその間)、LDOは数百ミリアンペアのオーダの負荷変化に対応できなければなりません。バルクコンデンサ(行とフレームの周波数で低インピーダンス)は、カメラのデカップリングに役立ち、この負荷切り替えによって生じるリップルを低減します。

イメージセンサの各画素には、飽和する前に保持できる電荷量(電子数)を表す飽和レベル(またはフルウェルキャパシティ)が存在します。イメージセンサのダイナミックレンジ(単位:dB)は、同時に撮影できる画像の最も明るい部分と最も暗い部分の比率を表します。LDOの出力における低スペクトルノイズ密度(10 Hz~1 MHz)は、CMOSイメージセンサに伝わるノイズ量の低減に役立ち、それによって画素はより高いダイナミックレンジを達成できるようになります。最後に、全体のリップルとノイズは、センサのノイズスレッショルド(通常、データシートにSNRとして明記)より40dB以上低いことが望ましいとされています。

詳細は、ホワイトペーパー「Understanding Challenges in Powering High Resolution, High Frame Rate CMOS Image Sensors (高解像度・高フレームワーク・イメージセンサヘの電源供給の課題)」をご覧ください。

 

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