なぜ私のコンパレータは優柔不断なのか?

著者:  Farhana Sarder  - 08-20-2017 

コンパレータの仕組みは一見すると簡単です。2つの信号を比較し、それに応じて出力をhighまたはlowにセットします。しかし、2つの入力信号の電圧が非常に近い場合、入力信号のわずかなノイズで出力が論理レベルのhighとlowで発信することがあります。 この問題を回避するには、ヒステリシスを追加するのが最も容易な方法です。

ヒステリシスとは、システムの出力が過去の状態に依存する場合に発生します。ヒステリシスがコンパレータへ加わると、スイッチング閾値の上限が高く設定されるほど、スイッチング閾値の下限は低く設定されます。お気づきの方もいると思いますが、これは基本的にACサーモスタットの動作です。サーモスタットにヒステリシスが存在しない場合をちょっと想像していましょう。ACは、わずかな温度変化でも数秒ごとにオンとオフを繰り返す可能性があり、これは煩わしく非効率的でありAC装置に負荷がかかります。ヒステリシスを ACサーモスタットへ加えることで、システムは、より効率的に動作できます。

一部のコンパレータには、通常数ミリボルトのヒステリシスが組み込まれています。これは、特定のアプリケーションでは適切かもしれませんが、別の状況によっては外部のヒステリシスを追加する必要があります。外部のヒステリシスを追加することにより、立ち上がりと立ち下がりの閾値をシステム要件に合わせることができます。

ヒステリシスは、正帰還を通してコンパレータ回路に組み込まれています。これは、正帰還がプラスに働くわずかな事例の1つです!ヒステリシスは、1つの閾点ではなく、異なる立ち上がりと立ち下がりの閾値を生み出します。これにより、入力信号が基準電圧の周辺で変動していても出力は変動せず、低い状態または高い状態に一貫して保たれます。正帰還を通してヒステリシスが追加されたコンパレータは、シュミットトリガーと呼ばれます。

下記の図は、オン・セミコンダクターのTL331を反転型シュミットトリガーとして構成した例を示しています。TL331は、シングルチャネルの低電力オープンコレクター・コンパレータであり、外部のヒステリシスを備えていません。R1とR2の抵抗を通して生み出される抵抗分割回路は、非反転側のピンに基準電圧を設定し、コンパレータの出力が切り替わるスレッショルド電圧を確立します。これはオープンコレクター・コンパレータであるため、プルアップ抵抗は出力に接続されています。帰還抵抗は正帰還を通してヒステリシスを追加します。通常、比較的大きな帰還抵抗値(少なくとも100 kΩ)が使用されます。

図1 反転型シュミットトリガーとして構成されたコンパレータ

この反転型の構成の場合、入力信号が閾値と比較して低いと出力ピンは高くなり、帰還抵抗を通してスレッショルド電圧が高くなります。これにより、入力信号にわずかな電圧変動があっても、入力電圧がより高く調整された立ち上がり閾値に達するまで、コンパレータ出力は切り替えられません。入力信号が立ち上がり閾値に達すると出力を低下させます。これが帰還抵抗を通してスレッショルド電圧を降下させるため、出力は、入力電圧がより低く調整されたスレッショルド電圧まで降下するまで、低い状態を保ちます。

非反転型の構成では、正帰還の使用に関する限り同様の動作をします。ただし、この場合、抵抗分割回路により設定されたスレッショルド電圧は、反転型構成と違って変化しません。その代り、帰還を通して非反転型ノードにおいて入力信号を調整します。

図2 非反転型シュミットトリガーとして構成されたコンパレータ

 

この構成の場合、入力信号が低いと出力を低下させ、非反転型ノードにおける電圧を降下させます。入力信号が高くなり非反転型ノードが基準電圧より高くなると、出力が上昇し、非反転型ノードはさらに上昇します。上記のいずれの回路においても、ヒステリシスの追加に必要なのは、1個または2個の外部抵抗であり、抵抗値は、特定のアプリケーションに最適な閾値に調整できます。コンパレータを設計にあたり、入力ピンの電圧が長時間に亘り互いに近づく可能性がある場合、ヒステリシスを追加することで、入力信号のノイズを原因とする問題を簡単に軽減できます。

 

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