オン・セミコンダクターは、ワイドバンドギャップ半導体のリーディングカンパニーとして、このテクノロジの先駆者であり、最も低抵抗のRDS(on) のSiC MOSFETを生産しています。当社は、クラス最高のパッケージ技術とエネルギー効率に優れた包括的なパワーソリューションを提供しています。これには、SiC MOSFET、SiCダイオード、SiCおよびGaNドライバ、および集積モジュールなどの先進のシリコンカーバイド(SiC、炭化ケイ素)ベースのデバイスを含みます。
オン・セミコンダクターは、NチャネルSiC MOSFET 製品ファミリに、1200ボルト(V)と900Vの2つの新製品の導入により、ワイドバンドギャップ(wide bandgap、WBG)デバイスの範囲を拡大しました。当社が発表した新製品のSiC MOSFETのユースケースと、新しいSiCソリューションで最もメリットが得られるエンドアプリケーションをご紹介します。
1200 V SiC MOSFET
質問: SiC MOSFET 製品「NTHL020N120SC1」 (N‐Channel、1200V、20mΩ) の主な特徴は?
回答: 「NTHL020N120SC1」は、1200Vのブロッキング電圧(VDSS)で極めて低い導電損失を実現します。さらに、低い内部ゲート抵抗(Rg=1.81Ω)と低い出力容量(Coss=260pF)で高速で駆動します。
質問:オン・セミコンダクターの既存のSiC MOSFET 製品と比較して、NTHL020N120SC1ではどのよう特性が改善されたか?
回答: 本製品は当社の第一世代のSiC MOSFETであるため、以前のデバイスと比較することはできません。しかしながら、当社のデバイスは、市販されている他社のデバイスに比べて、強力な酸化膜性能(VGS定格+25V/-15V)、Vthドリフトなし、ボディダイオード・ドリフトなし、高速なスイッチング速度、dv/dt制御によるスムーズなゲートドライブ、ハードスイッチングに対する強いボディダイオードなどの利点があります。
質問: NTHL020N120SC1の競争力の高い仕様は?
回答: 当社の1200V SiC MOSFETデバイスは、市場で高い競争力があり、ほとんどのお客さまの要求仕様を満たすか、上回っています。各アプリケーションはさまざまなパラメータを考慮しますが、一般的には、当社の製品は高速に動作するように設計されており、スイッチング損失と伝導損失を低減しています。低抵抗のRDSonを達成するとともに、高速スイッチングのために内部ゲート抵抗を選択しています。このデバイスは、100V/ns以上の高速過渡耐性を備えた堅牢性の高い設計を行っています。
質問: SiCのメリットは何か?
回答: SiCのメリットは、シリコンと比較して10倍の絶縁破壊電界強度、2倍の電子飽和速度、3倍のエネルギー不良ギャップ、3倍の熱伝導率を有する材料自体にあります。システム上のメリットは、電力損失の低減、電力密度の向上、動作周波数の向上、温度性能の向上、EMIの低減、そして最も重要なこととして、システムのサイズとコストの低減により最高の効率を提供することです。


エンドアプリケーションについて:
質問: 「NTHL020N120SC1」の主要な特長を最大限に活用できるエンドアプリケーションとは?
回答: さまざまなエンドアプリケーションで、電力密度の向上とともにBOM量の減少により、大きなメリットを得られます。これが明らかになる2つの特定のアプリケーションは、太陽光発電インバータと電気自動車(EV)充電ステーションです。
質問: SiC MOSFET製品が、太陽光発電インバータやEV充電ステーションに特にメリットをもたらす理由は? これらのアプリケーションには、サイズや形状に対する強い要件があるか? そうであれば、その背景やニーズを教えてください。
回答: 従来、ほとんどのPFCステージは複雑で、周波数が限定されており、98%を超える効率は達成されていません。SiCを使用すると、部品点数が少なく(複雑性が小さく)、受動部品が小さくなり、冷却性が向上し、98%を超える効率を達成します。
質問: 小型の太陽光発電インバータやEV充電ステーションへの需要は大きいか? もしそうなら、その理由は何か?
回答: アプリケーションごとに説明します。
太陽光発電インバータ:
現在、太陽光発電インバータ市場には2つのトレンドがあります。オン・セミコンダクターは、この市場のTAMの推定30%のシェアを持っています。
1) 直流を交流に変換した後、大型メガワットインバータに給電するパネルの各列に20kW未満の複数の小型インバータ
- 通常、20kW未満の小型インバータは、PCFステージ用のディスクリートSiCに移行しています。LLCの場合、タイムライン、コストおよび効率目標に応じて、SJとSiCの組み合わせになります。
- お客様がSiCに移行すれば多くのメリットがありますが、ゲート駆動電圧が高くなるため、回路を再設計しなければならないという欠点があります。
2) 複数列のパネルを使用し、より大きなパネルには供給しない、20kWを超えるいくつかのより大きなインバータ
- 20kWを超える大型のインバータは、通常、パワーモジュールを使用しています。
- 以前はIGBTモジュールでしたが、最近5年間にハイブリッドモジュール(IGBT+SiCダイオード)に移行し、現在はSiC MOSFETモジュールが使用されています。
充電ステーション:
充電ステーションには4つの電力レベルがあります。レベル1および2は、1/3相AC充電器です。これらの充電器はSiCを使用せず、車載のOBCを使用してバッテリを充電します。レベル3と4はより高い電力で、充電ポールでAC/DCを使用するため、車に接続するとバッテリを直接充電します。
さらに、充電ステーションを3つの「市場」セグメントに分類しています。
1) 住宅用: レベル1または2充電器
2) コマーシャル: レベル2または3(モール、会社、数台の車が駐車されている場所)
3) 高速道路: レベル 3または4 (SiCを使用される場所)
一般的に、充電市場は、特にハイパワーがまだ発展途上です。ここでは、ハイパワーのためにたパワーモジュールの使用が大半ですが、LLCまたは二次整流ステージではディスクリートが使用されています。

現在のオン・セミコンダクターのワイドバンドギャップ・ソリューションとメリットについて、詳細はこちらをご参照ください。
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