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2021年6月23日(米国2021年6月22日発表): 高効率エネルギーへのイノベーションを推進するオン・セミコンダクター(本社 米国アリゾナ州フェニックス、Nasdaq: ON)は、業界初の専用臨界伝導モード(CrM)トーテムポール PFC (力率補正)コントローラ「NCP1680」を、新たに超高密度オフライン電源のソリューションのポートフォリオに追加したことを発表しました。

対し、PFC ステージは通常 97% の効率を誇り、LLC 回路も同様の性能を達成しています。しかし、損失の大きいダイオードを「トーテムポール」構成のスイッチに置き換え、昇圧 PFC 機能を引き込むことで、ブリッジ損失を削減し、全体の効率を大幅に向上させることができます。さらに NCP1680 は、スーパージャンクション・シリコン MOSFET 、またはシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)デバイスなどのワイドバンドギャップなど、あらゆるタイプのスイッチに対応しています。

新製品の NCP1680 CrM トーテムポール PFC コントローラは、新たな電流制限アーキテクチャとラインフェーズ検出を採用し、実績のある制御アルゴリズムを組み込むことで、性能に妥協することなくコスト効率の高いトーテムポール PFC ソリューションを実現しています。この IC の核となるのは、内部補正されたデジタルループ制御です。この革新的なデバイスは、バレー・スイッチングを用いたコンスタント・オンタイム CrM アーキテクチャを採用しています。また、軽負荷時の高効率が求められる現代の効率基準に対しても、内蔵する不連続伝導モード(DCM)により、周波数折り返し動作時に谷部が同期してターンオンすることで対応できます。

この高集積デバイスは、ユニバーサル電源 (90~265Vac) で、350W までの推奨電力レベルで動作する電源設計を可能にします。NCP1680 をベースにした PFC 回路は、230Vac の電源入力において、 300W で 99% 近い効率を達成できます。数個のシンプルな外付け部品だけで、完全な機能を持つトーテムポール型PFCを実現できます。さらに、ホール効果センサを使用せずにサイクルごとの電流制限を実現することで、部品点数を削減できます。

NCP1680 は、小型SOIC-16 パッケージに収められており、高度なトーテムポール PFC の迅速な開発とデバッグを可能にする評価プラットフォームの一部としても利用可能です。

NCP1680 は、トーテムポールの高速レッグに選択されたスイッチ技術に応じて、ハーフブリッジ GaN HEMT ゲートドライバ「NCP51820」、または 絶縁型 SiC MOSFET ゲートドライバ「NCP51561」と組み合わせて使用できます。NCP51561 は、ソース 4.5A、シンク9A のピーク電流に対応した絶縁型デュアルチャネル・ゲートドライバです。シリコン・パワー MOSFET や SiC ベースの MOSFET デバイスの高速スイッチングに適しており、短くてマッチした伝搬遅延を提供します。独立した 5kVRMS (UL1577定格)のガルバニック絶縁された 2 個のゲートドライバ・チャネルは、2 個のローサイドスイッチ、2 個のハイサイドスイッチ、またはプログラム可能なデッドタイムを持つハーフブリッジ・ドライバとして使用できます。イネーブルピンは両方の出力を同時にシャットダウンします。NCP51561 は、両方のゲートドライバと、イネーブル機能に対して独立した低電圧ロックアウト(UVLO)など、他の重要な保護機能を備えています。

オン・セミコンダクターは、シリコン製 MOSFET よりも効率を高めた SiC 製 MOSFET を幅広く提供しています。低オン抵抗 (RDS(on)) とコンパクトなチップサイズにより、低キャパシタンスとゲートチャージ (Qg) を確保し、縮小されたシステムサイズで最高の効率を実現し、電力密度を高めます。オン・セミコンダクターは、TO-247-4L および D2PAK-7Lパッケージで 650V SiC MOSFET をリリースしており、今後もこのポートフォリオを拡大していきます。 さらに、オン・セミコンダクターは、 シリコンベースの 650 V SUPERFET® III MOSFET の完全なポートフォリオを提供しています。