IoTは、実際には非常に複雑なものにラベルをつける、シンプルな方法の1つです。エンドポイントの背後にあるセンサとアクチュエータのことはちょっと脇に置いて、「IoT」の「I」が実際に何を実現してくれるか考えてみましょう。コネクティビティが有線または無線のいずれかで可能になることは避けられません。どの媒体であっても、あらゆる形態の接続には課題がありますが、手に入れる価値のあるものは簡単に手に入りません。しかし、本当にそうでしょうか?
IoTエンドポイントへ無線接続を追加するターンキーソリューションはますます増加しています。これらソリューションの多くでは、統合の難しい部分は既に組み込まれているため、設計の複雑性の低いことが主張されています。これらのソリューションでは、巧みな製造技術が使用されているため、通常、非常に小型で目立ちません。これは、多くのIoTエンドポイントの前提条件の1つとなっています。個別のコンポーネントを用いたソリューションを設計する場合と同じ機能が、1つのデバイスに統合されている場合を考えてみましょう。製造技術の進歩により、今では、デジタル回路と併せて、ミックスドシグナル、電源機能、およびアナログ機能を容易に統合できます。また、完全なモノリシック統合があまりにも難しい場合は、マルチチップパッケージやSiP(System-in-Package、システムインパッケージ)のアプローチがあります。ディスクリートソリューションの製造で、SiPのような省スペースとコスト効率の実現は、少なくとも膨大な投資がなければ困難でしょう。これら接続ソリューションも低電力であることが理想的ですが、仕様で約束されていても常に実現されるわけではありません。これは、必ずしも設計の欠陥ではありません。というのは、無線技術は、通常、超低電力作動の性質を持っていないからです。
無線接続には多くの形態があり、より長距離の通信を提供するものもあれば、システム設計者がアプリケーションの具体的なニーズに合わせてプロトコルをカスタマイズできるものもあります。電力に懸念がある場合、エネルギー効率が必要なのは接続だけではなく、設計要件としてデバイスそのものに適用されます。環境発電のトランスデューサにより駆動されるエンドポイントは、特にエンドポイントが遠隔地にある場合に魅力を増しています。たとえば、広大な土地の灌漑レベルまたは保水タンクの状況を監視しているスマートセンサを考えてみるとわかりやすいと思います。
この種のアプリケーションの場合、低電力で場合によっては数百マイルの長距離でインターネットに直接的または間接的に接続できるスマートセンサが必要となります。これを提供できる無線技術は、さほど多くありませんが、あるクラスの接続は、この分類にピッタリと収まります。それが低電力広域ネットワーク(LPWAN)です。LPWANは、低電力で長距離であることに加え、低ペイロード(通常、メッセージあたり数バイト)という特徴があります。これは送受信に必要なエネルギーが少ないことで可能になる機能です。現在導入されているLPWANの中で、Sigfoxは、既に世界中の50カ国以上の人々を結びつけており、その利用範囲を常に拡大しているため、有効な選択肢の1つです。
Sigfox接続をIoTエンドポイントに追加するSiPである、オン・セミコンダクターのSigfox Verified™ AX-SIP-SFEU RFトランシーバがCEに認証されたことで、LPWAN技術の導入は、昨今さらに容易になりました。規制に対して事前承認されたSiPデバイスを提供することで、欧州連合およびCEマークを適合証明として認めている地域で使用できるため、ロジスティックス分野やさまざまなIIoT(Industrial IoT)アプリケーションなど、モバイル資産にとって理想的です。
いずれのLPWANにおける決定的な特徴の1つは距離であり、その設計のおかげで、AX-SIP-SFEUなどのSigfox トランシーバは、長距離通信を実現し、小型モジュールからでさえも数百マイルの見通し距離に到達できる潜在性を持っています。AX-SIP-SFEUのサイズは、わずか9 mm x 7mmですが、トランシーバ、15個のGPIOポート、温度センサ、および標準ATコマンドを用いてホストプロセッサと通信するRS232 UARTが組み込まれています。外部コンポーネントは必要なく、真の意味でドロップイン式のターンキーソリューションです。CE認証の追加により、機器メーカーは、自社の機器、資産、その他のデバイスを容易にIoTに接続できます。
IoTは、拡大を続けるデバイスのネットワークであり、シンプルなソリューションで実現されています。この接続レベルの複雑さを甘く見るべきではありませんが、アクセスに必要な労力が下降曲線を辿っていることはありがたいことです。
AX-SIP-SFEUがIoTにもたらす利点の詳細に関しては、こちらのビデオをご覧ください。